Mac で使える天体写真ソフト:動くもの、動かないもの
定番の天体写真ツールの多くは Windows 専用です。macOS でネイティブに動くもの、エミュレーションが要るもの、そして Apple シリコンを含めた空白をどう埋めるか。
Mac で天体写真を始めたばかりなら、おそらくもうこの壁にぶつかっているはずです。見つかるチュートリアルのほぼすべてが DeepSkyStacker をダウンロードしろと言い、その DeepSkyStacker は macOS では動きません。AutoStakkert! も動きません。RegiStax も Sequator も動きません。
誰かが意図してこうなったわけではありません。あれらのツールは、Windows 上で自分の困りごとを解決するために書かれたもので、中には 20 年前のものもあり、しかも無料です。ただ、その結果として初心者向けの定番アドバイスは、あなたが持っていないマシン向けに書かれていて、代わりに何を使えばいいかを調べるのは必要以上に手間がかかります。
以下は、私が調べた結果です。
おすすめ
多くの人にとっての答えは Akastroid です。ディープスカイ、惑星、月、太陽を 1 つのアプリで処理でき、Mac、Windows、Linux で動きます。フレームをドロップするだけで、評価、キャリブレーション、スタック、かぶり補正、色の補正、シャープ化まで、選ぶべき設定なしで行います。通常の方法では、同じ結果のために 4 つから 6 つの別々のソフトが必要です。
同じオリオンのスタックで、Akastroid の自動仕上げは S/N 比 402 を記録し、Siril の標準的な手順の 87 を上回りました。空のかぶりは 2.6% 対 21.6% でした(比較の全体)。ご自分のデータで無料で試せます。
すべての工程を手作業で調整したい、数か月かけて学ぶ覚悟があるなら PixInsight を、無料のソフトで手順を自分で覚えたいなら Siril を選んでください。このガイドの残りでは、それぞれを詳しく比べます。
macOS でネイティブに動くもの
Siril。無料、オープンソースで、Mac でディープスカイを始めるなら最良の出発点です。キャリブレーション、位置合わせ、スタック、そして一通りの後処理に加え、セッション全体を無人で回せるスクリプト言語を備えています。Apple シリコン版のビルドもあります。機能に不足はありません。Siril は言われたことだけをやり、それ以外は何もしません。そしてマニュアルのスクリプトは、どれが自分のデータに合うかをすでに知っている前提で書かれています。
PixInsight。約 300 ユーロ、クロスプラットフォームで、この分野で最も高機能なソフトです。習得には数か月かかります。最初の一本向きではないと、そのコミュニティ自身が言うはずです。
GraXpert。無料、オープンソース、クロスプラットフォーム。グラデーション除去と、オプションでノイズ除去。スタッカーではなく、すでにある画像の特定の一つの問題を直すものです。
Starnet++。macOS で動く無料の星除去ツールです。ワークフロー全体ではなく、その中の一工程を担います。
Astro Pixel Processor。有料、クロスプラットフォーム、Java ベース。特にモザイクで評価が高いソフトです。
Akastroid。私たちが作っているものです。Apple シリコンを含む macOS ネイティブで、ディープスカイと惑星を一つのプログラムで扱え、無料で試せます。どこに位置づけられるかは後述します。
動かないもの、そして代わりに人が試すこと
DeepSkyStacker は Windows 専用で、2004 年以来ずっとそうです。Mac 版はなく、作る予定もありません。
AutoStakkert! は Windows 専用。しかも惑星と月のスタックの標準ツールなので、Mac ユーザーが一番困るのはこれです。
RegiStax は Windows 専用で、2011 年以降メンテナンスされていません。
Sequator は Windows 専用。Mac での広角星景なら、代わりに Starry Landscape Stacker が定番です。Mac 専用、有料で、同じ仕事をします。
よくあるアドバイスは「Wine で動かせばいい」「CrossOver を使え」「Whisky を入れろ」というものです。2026 年、特に Apple シリコンでの実情は次のとおりです。
- Homebrew は 2026 年 9 月、Gatekeeper の署名問題で WineHQ の cask を無効化しました。
- いくつかのガイドがまだ参照している Apple の Game Porting Toolkit は、汎用の解決策ではなく、互換性を壊す変更も経ています。
- Whisky はインストールできますが、その下で動くランタイムを用意するのはそれだけで一仕事です。
- Rosetta 2 は役に立ちません。Intel 版 macOS バイナリを変換するものであって、Windows バイナリは対象外です。
私たちは比較ベンチマークのために Apple シリコン Mac でこの方法で RegiStax を動かそうとし、1 時間で諦めました。できなくはありませんが、「Wine を入れる」で済む話ではなく、私ならワークフローをそれに頼って組みません。
本物の Windows ライセンスを使った仮想マシンなら動きます。Parallels か UTM に Windows on ARM を入れ、これらのプログラム用に x86 エミュレーションを加える方法です。お金とディスクと忍耐がかかり、その後は写真を処理するために Windows 環境を維持し続けることになります。
「Mac で動く」と「Mac で使える」は同じではない
この二つは混同されがちで、そのせいで夜をつぶす人がいます。
Siril も PixInsight も Apple シリコンでネイティブに動くので、プラットフォームの問題はありません。ただ Siril はスクリプトメニューと、どのスクリプトが自分のデータに合うかをすでに知っている前提のマニュアルを渡してきます。PixInsight は何十ものプロセスをそれぞれ何十ものパラメータ付きで並べていて、決まった手順は用意されていません。文書化されたルートは WBPP、次に DBE、次に SPCC、次にストレッチ、次にノイズ除去、次にマスク付きデコンボリューションで、その習得に数か月かかるのは普通のことです。どちらもよくできたソフトですが、覚えるにはそれなりの時間が要ります。
つまり Mac ユーザーには二つの別々の問題があり、プラットフォームに関わるのはそのうち一つだけです。
- 惑星処理の空白。これはプラットフォームの問題です。AutoStakkert、RegiStax、PIPP、WinJUPOS はどれも Windows 専用なので、学びたくてもネイティブで使えるものがありません。
- 学習曲線。こちらはプラットフォームと関係ありません。Mac でも PC でもまったく同じで、動く望遠鏡を持つ人の多くが未処理フレームのフォルダを抱えたままでいる理由です。
Akastroid はその両方を狙っています。macOS ネイティブで、最初の晩に画像が得られることを目指しています。
実際の選択肢
Mac で天体写真を撮る人の現実的な選択肢は次のとおりです。
ディープスカイ: 無料なら Siril、とことん突き詰めたいなら PixInsight、定型的な判断はソフトに任せて計測結果を見せてほしいなら Akastroid。
惑星と月: 空白があるのはここです。AutoStakkert! と RegiStax の組み合わせが無料の標準で、どちらも動きません。選択肢は Windows の仮想マシンか、ラッキーイメージングをネイティブでこなすプログラムです。私たちが惑星処理を別ツールに任せず Akastroid に組み込んだのは、これが理由の一つです。
星景: Mac 専用で有料の Starry Landscape Stacker、または Siril。
Akastroid の位置づけ
Akastroid は macOS ネイティブのアプリケーション(Apple シリコンと Intel の両方)で、ディープスカイと惑星の両方を扱います。サブ露光のフォルダか惑星動画を読み込めば、どちらなのかを自分で判断し、フレームを計測し、キャリブレーション、スタック、グラデーション除去、色、ストレッチを決めます。それぞれの判断は根拠の数値とともに表示されるので、何をしたかを確認できます。
PixInsight より高機能なわけではありません。Mac では、Windows 仮想マシンと三つのダウンロードの代わりに一つのプログラムで済み、その晩のうちに最初の画像が得られます。
AI は使っていません。ニューラルネットワークは入っておらず、ダウンロードにモデルファイルも含まれていません。フレームを計測し、そこに算術を施すだけなので、結果の中に生成されたものはありません。これは意図して選んだことです。AI シャープナーや星除去はそれぞれよくできていますが、作り出すのはもっともらしいディテールで、カメラが記録したディテールとは別物です。
自分のデータで無料で試せて、何もアップロードせず、アカウントも不要です。
macOS 版をダウンロード · Siril、DeepSkyStacker、PixInsight との比較
Apple シリコンについて一言
M シリーズの Mac はこの作業に向いています。スタッキングは並列化しやすい処理の典型で、ユニファイドメモリのおかげで 300 枚のセッションでもスワップに苦しみません。Akastroid はネイティブの arm64 ビルドを出しており、Siril、PixInsight、GraXpert にも Apple シリコン版があります。Apple シリコンで唯一不利になるのはエミュレーション経路で、Windows バイナリまでの変換層が一つではなく二つになるからです。
天体写真のために Mac を買うなら、コア数よりメモリが重要です。RAM を埋めるのは、長いセッションのキャリブレーションマスターだからです。
英語の原文を読む · 他の言語 Čeština · Dansk · Deutsch · Ελληνικά · Español · Suomi · Français · Hrvatski · Magyar · Italiano · 한국어 · Norsk bokmål · Nederlands · Română · Русский · Slovenčina · Slovenščina · Srpski · Svenska · Українська · 简体中文